名カバレージ 供養
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R4
オガサワラvsイトウ
Game1
静寂の中、ゲームの準備が整って行く。
緊張した面持ちの2人は、無言のままダイスロール。
小笠原が先手を獲得。
お互いに1度手札を入れ替える。
「Good luck」
ほとんど同時に発せられた激励が、熱戦の火蓋を切って落とした。
モダン界に古代より君臨する王者の1角、バーンを持ち込んだ伊藤。
まずは速槍で1点のダメージを与える。
対する小笠原の初動はサリア、相手の動きを牽制して行く。
溶岩の打ち込みに2マナを注ぎ込み、果敢と共に5点を刻む。
ガラ空きの盤面に降り立ったのは、カマキリの乗り手。人間を選択した小笠原も、負けじと5点を返す。
伊藤は再度溶岩を撃ち込むも、速槍の攻撃はカマキリが阻む。
ダメ押しの翻弄する魔道士が飛び出し、焼尽の猛火を封じ込めると伊藤に返す術は無かった。
小笠原1-0伊藤
サイドボーディング中、小笠原は自身のデッキ選択の理由について語り始めた。
「僕のデッキは人間ですけど、僕も人間ですよね?
つまりシナジーがあるんですよ。わかりますか?」
「え?ああ、はい。」
困惑を隠しきれない様相の伊藤。
「あなたはゴブリンだから、バーンを選んだんですか?」
小笠原はここぞとばかりに畳み掛ける。
「はい、サイドボード15枚です。」
強引にゲームに引き戻した伊藤。
流石の小笠原もルールには逆らえなかった。
Game2
G1に引き続き、マリガンを選択した伊藤。
小笠原は快調に7枚をキープ。
心なしか、手札の枚数を見せつけているようにも感じる。
「マリ………ガン…………っっっ!!!」
その威圧に屈したのか、苦悶の声を漏らす。
2度のマリガンを経て、伊藤の先行。
溶岩の撃ち込み、3点を削る。
貴族の教主で、加速の構えを取った小笠原。
土地を置いてターンを返した伊藤の手札を、帆凧の掠め取りで覗きにかかる。
2枚のボロスの魔除けと、罠の橋が公開された。
小笠原はノータイムで罠の橋を選択。
霊気の薬瓶を追加し、魔除けの一枚が4点を削り取る。
土地をドローし、ボロスの魔除けを打つ他ない伊藤に対し、教主と共にカマキリの乗り手をノリノリで追加して行く小笠原。
妨害を絡めて攻防一体の人間に、為す術ないかと思われたバーンの伊藤に天からの恵みが舞い降りた。
「罠の橋、手札は0です。」
唯一残された受けきるプランを、見事に引き当てた伊藤。
小笠原は小考の末、罠をすり抜ける術を見出す。
「貴族の教主………アタック!!!!!」
席を立ち上がり、高らかに宣言した小笠原。
パワー1以上のクリーチャーでは攻撃できない状況で、パワー0のクリーチャーを攻撃に向かわせた。
盤面にて見守るのみかと思われた、2体の教主による賛美で伊藤のライフを8まで削る。
現在、小笠原に残されたライフは9、教主に削りきられる前に残り3枚の火力を引き当てたい伊藤。ドローは溶岩の撃ち込み。小笠原を射程圏内から逃さない。
橋を対処する手段を引き込めない小笠原は、再度賛美を誘発させ伊藤に残されたライフは6点。
続く伊藤は、渋面の溶岩使いを戦線に送り出す。
しかし、小笠原の解答-Answer-は完璧だった。
イゼットの静電術師で溶岩使いを墓地へ送り、伊藤の希望を折り取る。
さらに、3体目の教主を降臨させ、3点までライフを落とし込む。
絶望的な状況の中、祈るようにめくったライブラリートップが山であることを確認した伊藤は、投了を宣言する他なかった。
小笠原2-0伊藤