RMCQ反省&調整録
①.はじめに
3/3に開催されたMORMCQ(以下R)に参加してきました。
結果は5-2で、MCまであと一勝のラインまでつけることができました。
今回はその際にチームで調整/使用した、オリジナルのグルールミッドレンジの調整録です。(かなりサクッと書くので読みづらいかも)
②.メタ読み
MC1stの結果を受けて、Rのメタを予想しました。
1.青単(増)
MC内使用率トップのスゥルタイに有利で実力も証明されたタイミング、なおかつ対策が割れていないので増加は必至。
2.スゥルタイ(減)
青単に不利なので、Rでは避ける人が増える。
元の使用者が多いため、最終的には使用率2番目くらいに落ち着くと予想。
3.ネクサス(減)
青単にド不利で餌のスゥルタイも減少するとなれば、メタの立ち位置的に使う価値なしと考えた。
4.エスパーコン(増)
MC8に残ったことで、デッキのひな型が出来上がり、これまでよりも使用者が増えると予想。
5.アグロ系(増)
上記の予想全てから、メタの一歩先はアグロ系の隆盛だと予想した。
以上のことから7-8回戦のRの当たりの内訳は、
青単2-3回
スゥルタイ1-2回
エスパー&ネクサス合計1-2回
アグロ系残りのラウンド
と、ざっくりとした目安で調整を開始。
③.デッキ選択
青単に有利なデッキを使うことは大前提、アグロ系に強いとなお良し。
ネクサスの減少を予想するので、青を含まない真っすぐなビートダウンも選択肢に入る。ということで赤単とグルールが浮上。
この環境の赤単は目立った戦績を残しておらず、過去の使用感もあまりよくなかったため、グルールからの調整を開始した。
④.調整開始
スタート地点としたのは、GPメンフィス8のグルールミッドレンジ(高尾翔太さんマジRespect)。
エアプながら予想したメタに合わせチューニングをした。
1.成長室の守護者よりも、茨の副官のほうがアグロに強そう。
2.青単用にサイドのクロールをメインに昇格。
3.なんか強そうだったので闘争//壮大を75枚に4枚。
出来上がったものがこちら。
MO競技リーグを2リーグ回していきなり9-1のスコアを叩き出し、デッキのポテンシャルの高さを確信したため、赤単には浮気せず本腰を入れて調整をすることにした。
その後さらに10マッチほど回した結果、いくつかの問題点が明確になった。
1.ドローするだけのカーン弱すぎ問題。
-アドバンテージゲームをするデッキではないので、単純にOUTで問題なし。
2.凶兆艦隊の向こう見ず、ただの2/1先制問題。
-環境に奪いたい呪文もないため、OUTで解決。
3.シミックネクサス、メインの勝率0%問題。
-愚直ビートダウンの弱さ故致し方なし、サイド後に2本とるために燃えがら蔦を4枚に増量。
4.マナベース激弱問題。
-手つかずの領土が4枚も入っているせいで、クリーチャー以外の呪文が安定して運用できない。森を引くだけで鎖回しが出ない。
ギルド門を4枚に増量して解決(背に腹は代えられないため)。
5.不滅の太陽、人質に取られる問題。
-あまりにも致命的だったため、即断でOUT。
6.スゥルタイ全然勝てない問題。
-本デッキが抱えた最大の問題(長くなるので後述)。
⑤.打倒スゥルタイ
チーム内でマッチアップ毎の戦績データを取っていたところ、スゥルタイへの勝率が低いことが判明。
敗因は2点、
その1.リソース差がすごい。(アグロ戦略を強制された)
その2.野茂みのせいでライフが詰められない。(アグロ戦略を否定された)
相反する2つの敗因が、スゥルタイへの不利を決定づけていました。
メタ上位のデッキに不利がつくようでは、このデッキを使う価値はありません。
グルールの人権を取り戻すため、Let's大改革です。
1.ショック→稲妻の一撃
アグロ系に強くスゥルタイに弱いショックは、稲妻の一撃と置き換え、野茂みを打ち漏らさないようにしました。
2.包囲攻撃の司令官→スカルガンのヘルカイト
キルターンを早める意味で、同マナ域最高打点のヘルカイトを採用しました。
3.野生の律動の採用
はっきり言って、今回のソリューションの部分です。従来のvsスゥルタイでは、後半に引いてきた低マナ域が腐って負けのパターンが数多く存在しました。
そこで、低マナ域でのアグロ戦略を一貫するために、野生の律動を採用したところ勝率は爆上がり。
これを置くと置かないで勝敗が決まる程になったので、3枚を採用することになりました。
順応も以前より強く使えるようになったので、成長室の守護者も再雇用することになりました。
⑥.完成品
出来上がったリストはこちら。
律動重ね引きのリスクなど、デッキに脆弱性を抱えることにはなりましたが、依然としてアグロ/青単には高い勝率を維持できました。
また、律動を採用したことでエスパーにEasy Winが狙えることも魅力的です。
⑦.結果と反省
R本番では、青単/スゥルタイに3回ずつ、Jund Death Chainに1回とかなり偏った当たりになりました。
負けは青単とスゥルタイで、どちらも事故が絡む負けだったため、技術介入の余地は見られませんでした。
デッキとしての総評は、「安定感に難ありのメタデッキ」ですね。
ドロー操作を有さないこのカラーリングでは、GPなどの長期戦では、安定感の面で数敗を計上しそうです。
しかし、環境がハマった時の強さは他に比肩するデッキはない程なので、タイミングが合えばまた使うこともあるでしょう。
今回の調整から得られたことは、「リスクのあるデッキ選択の肯定」でしょうか。
ネクサスなどのド不利マッチや、安定性への不安など否定的な要因はありましたが、今回は肯定的な要因が上回ったと言えるでしょう。
1.ラウンド数が少なかった。
-最大8回戦のトーナメントなので、安定性はブレでカバーできる範囲に収まる。
2.優勝の必要がなかった。
-TOP8全員に権利が与えられる大会だったので、SEで不利マッチを踏むことを考えなくて済んだ。
3.メタ予想に自信があった。
-立てた予想を否定する要因が無かったことで突っ走れた。
そんな感じですかね。(投げやり)
青単デッキガイド
どうも、最近はチームでの活動が楽しい1-3dropです。
青単いっぱい回したので、記念にデッキガイドを書きます。
1.青単とは
青単はアグロともテンポとも呼ばれるように、状況によって全く違う立ち回りをするデッキです。そのため、状況によって柔軟にプレイを変更することが必要になる、使用難易度の高いデッキです。使われているカードの単体でのカードパワーが低い事も、難易度を上げる要因になっています。
なので正直なところ、初心者には勧め辛いデッキですし、練習なしに勝てるようなデッキではありません。
2.デッキリスト
ベースはAlexander Hayneプロのリスト。
大幅な変更は必要に感じなかったので、数枚の変更に収まっています。
青単を使うのが初めての方は、とりあえずこのまま回してみることをオススメします。初見で見るよりも広範囲に対応ができるリストに仕上がっていると思います。
3.マッチアップ解説
「スゥルタイミッドレンジ」
積極的に当たりたいデッキその1です。
目指すゲームプランは、地上VS飛行のすれ違いダメージレースの構図になります。
こちらのキーカードは、プテラマンダーと大嵐のジン。気をつけるべきは、野茂みとハイドロイドの2枚です。
カウンターやペテン師を駆使して、野茂みのライフゲインを妨害しましょう。
サイドボーディング
先&後
+2幻惑の旋律
-2呪文貫き
「白単系アグロデッキ」
先手ゲーです、先手を取りましょう。
しかしながら、お互いが平均的な周りをした場合白単側の方が有利なので、若干不利マッチではあります。
相手が平地をセットランドしてきたら、1マナのアクションがなくとも白単と決め撃ってブッパしましょう。そうしないとテンポ面で不利に立たされます。
こちらのキーカードは大嵐のジン。こいつが出るだけでダメージレースが一気に楽になります、積極的に探しに行きましょう。気を付けるべきは徴税人です。インスタントアクションが封じられてしまうので、構えすぎは禁物です。
サイドボーディング
先&後
+1一瞬 +2排斥する魔導士 +2幻惑の旋律
-3航路の作成 -2魔術師の反駁
「ミラーマッチ」
プレイの差がはっきり出るマッチです。
青単の構築の幅はとても狭いので、相手の75枚から想定外のカードが出てくることはないということは念頭に置いてプレイします。
基本的な考え方はWho's the beatdown(MTG戦略記事界の古典)に書いてありますので、100回読みましょう。
他のマッチよりもはるかに最序盤のプレイが大切なので、ケーススタディを積み重ねて絶対にミスをしないようにしてください。
このミラーでは、先後手でサイドもプレイも大きく変わります。なので、それぞれのケースを分けて解説をします。
先手
1マナクリーチャーは基本的に、川守り>嵐鎮め>プテラマンダーの順に序盤の価値が重いので、迷った場合は川守りから展開しましょう。
川守りの価値が重い理由は、探訪と航路の作成にあります。ペテン師構え以外のどんな状況でも殴りに向かえる川守りは、盤面にあるだけでアドバンテージゲームを獲得することにつながるわけです。
逆にプテラマンダーは後半になればゲームを決めうるカードなので、序盤で不用意な相打ちを避ける意味合いで、ほかのカードを優先したほうがいいでしょう。
川守り+探訪が成立した場合は、これを全力で守ればまずゲームを落とすことはありません。相手の打点の高いクロックには、適当なチャンプを繰り返してもリソースが間に合うためです。
序盤の攻防でゲームが傾かなかった場合は、ジンとプテラマンダーに頼りましょう。このプランにおいて大事なことは、潜水を温存することです。
ゲームが長引けば当然相手もその2体を展開してきているはずなので、一方的にコンバットに勝つために潜水が必要になります。相手の除去は極力嵐鎮めで対応するようにしましょう。
後手
序盤は、相手に探訪を有効に使われないことが何よりも大切です。ダメージは二の次に考え、カウンターや一瞬を構え続けましょう。
そのため、キープ基準は先手よりもシビアになります。相手の探訪に対応できない手札は容赦なくマリガンしましょう。
逆に序盤をやり過ごせばこちらのものです。構え続けたことが幸いして、リソース面での優位は間違いないでしょう。細かいアクションで相手にカウンターを使わせ、手札が空になったところでビッグアクションで一気にまくりましょう。
キーカードはペテン師です。どのタイミングでも使いうるカードはこいつだけなので、よく考えて単なる2点クロックとして運用しないようにしましょう。
サイドボーディング
先
+1一瞬 +2排斥する魔導士 +2幻惑の旋律
-1呪文貫き -2航路の作成 -2魔術師の反駁
後
+1呪文貫き +1一瞬 +2排斥する魔導士 +2幻惑の旋律
-3航路の作成 -2魔術師の反駁 -1本質の掌握
「イゼットドレイク」
メイン有利、サイド後はパルンの枚数で傾くゲームです。
今までは当たりたくないマッチでしたが、プテラマンダーの加入で大きく相性が改善されました。
ゲームのポイントは、カウンターの使いどころです。ドレイク側は、ドロースペルを駆使してクリーチャーを探してきますので、探し当てたクリーチャーにカウンターを当てましょう。(ピアスは序盤のドロースペルを消すのもgood)
このマッチアップにおいては、自分のカードを守るスペルは潜水と嵐鎮めに任せましょう。
適当にゲームが長引けば、ジンとマンダーのサイズで勝てるはずです。
サイド後は6マナに到達させないように、迅速に、適宜ドロースペルを消しながら動きましょう。
サイドボーディング
+2氷結 +1否認
-1一瞬 -1呪文貫き -1航路の作成
「赤単」
不利マッチですが、嘆くほどではありません。
メインは裏目をある程度諦めて、勝ち筋だけを追いましょう。タフ1のクリーチャーも3tを過ぎたら出してしまいましょう。
ゲームを長引かせることができないので、探訪を守る価値は他のマッチよりも低くなります。
サイド後は青単コントロールにシフトしましょう。相手には優秀な低マナ域が揃っているので、正面からは敵いません。ジンとマンダーを有効に使えるまで耐えるのです。
カウンターの当て先は、クリーチャーと舞台照らしです。狂乱はこちらのクリーチャーが焼けなくなる可能性があるので、通してしまってもいい場面がありますので気をつけましょう。
サイドボーディング
+1呪文貫き +3否認 +1アズカンタの探索 +3波濤牝馬 +2幻惑の旋律
-3川守り -3探訪 -3航路の作成 -1一瞬
「コントロール、ネクサス系」
カウンターを常に構えましょう。負けません。
サイドボーディング
+カウンターいっぱい
-ジンや潜水など
4.おまけコーナー
「キープorマリガン」
※全て1本目の先手を想定
キープ
序盤からいい量のダメージが期待できるためキープ。ドローの受けもGood!
相手が赤単なら降伏のポーズを取ります。
キープ
土地を引かないリスクはありますが、ベストに近いハンドなのでキープ。この手札であれば探訪は焦らず、2枚目の土地を引いてから出したいですね。
マリガン
先ほどとは違いドロー手段もなく、クロックも早くないので秒でマリガンですね。仮に後手でもキープすることはないでしょう。
マリガン
意見が割れそうな手札ですが、私はマリガンを選択します。
対応札が多すぎて、先手の利を活かせないことが一番の要因です。ドローの受けも狭いですね。
「細かいテクニック」
1.ペテン師の使い方
相手の場にクリーチャーが1体のみで、探訪が貼られていた場合は、ペテン師を相手のアップキープに唱えることを視野に入れましょう。
タップ能力が通れば、探訪の自滅効果でアドバンテージを得られます。
ドレイクやジンのパワーが0になる事もお忘れなく。
2.本質の掌握にご注意!
プテラマンダーにカウンターを乗せると、順応が使えなくなりますので、乗せ先は慎重に。
3.一瞬の便利な使い方
一瞬は、土地以外のパーマネントなら何でも戻せます。
探訪を戻してつけなおしたり、ペテン師を使いまわすこともできます。
ミラーマッチでも潜水や嵐鎮めを構えられていても、探訪自体を狙えば大体剥がせます。
4.コンバット前に航路の作成!
プテラマンダーの順応を早めたければ、殴る前に航路の作成を撃てば確実にスペルカウントを増やせます。
自分のスペルにカウンターを打つ事も覚えておきましょう。
5.氷結で冬眠
自分のクリーチャーを0/4にしてもええんやで。
なにか思いついたら加筆します。
それでは、良き青単ライフを〜。
GP京都&RPTQ 調整メンバー募集のお知らせ
こんにちは、1-3dropです。
今回は練習環境の向上のために新たに立ち上げる、調整チーム「Team Helix」のメンバー募集記事です。
Team Helixとは?
PTまであと一歩なプレイヤー同士で繋がる、期間限定の調整チームです。 (大会後に解散&次に向けて再募集予定)
活動内容
・担当デッキの分業化
・オンラインでのメンバー同士での対戦
・練習会や合宿の開催
※スプレッドシートの参考画像
チーム化のメリット
1.様々なプレイヤーとの交流が持てる
2.並行して複数のデッキの結果を得られる
3.同レベルの実力同士で練習できる
4.練習環境の確保
5.言語化が求められる環境により理解が深まる
などなど
スプレッドシートのメリット
1.結果が可視化されることで、正確な情報が得られる
2.使用デッキ分析で自分の特性がわかる
3.発言回数が少なくても調整に参加できる
メンバー募集(残り1/10名)
・PT権利獲得を目指しているプレイヤー
・当該フォーマットの競技イベントでの実績 (PPTQ優勝、PTQトップ8、賞金制トーナメントでのマネーフィニッシュなど)
・MOでの対戦ができる(Arenaは競技イベント実装後に対応)
・Discordでの通話&画面共有ができる
・毎ゲーム戦績記入ができる
応募方法
・名前(ニックネームがある方はそちらも是非)
・過去の実績
・なにか一言(あれば!)
以上を記入の上、@1_3dropまでDMでご連絡ください。
チームプレイで楽しく、効率的にPTを目指しましょう!
静岡で使わないデッキが決まった話
どうも1-3dropです。
ここのところスタンの調子が良く、pptqを抜けたりPTQで連勝したりで、75%くらいの勝率があります。(イキり)
最近はまた放送してたりするので、よかったらチャンネル登録でもしておいてください(して)。 https://twitch.tv/1_3drop
さて自分の話はこの辺にして、今回は静岡で"使わない"デッキが決まったので、それについてお話しします。
まだデッキが決まっていないあなたの参考になれば幸いです。
1.現在のスタンダード環境
まず初めに、現在の環境をおさらいしましょう。
環境デッキの出揃ったPT後の大型競技イベント(PT8-2以上/PTQ/GP)の上位デッキの入賞回数をリストアップしてみました。
結果はこんな感じ。
全31デッキ中
BG9
イゼット8
ジェスカイ8
白系6
赤単5
セレズニアトークン2
青単1
大 混 戦
安定して戦績を残す上位3デッキに加え、隙を狙っては上位をかっさらうアグロ系が続く形です。
こんなにも選択肢が多いと、全てのデッキを練習することは現実的ではありません。
そこで今回は、一定の項目を設定して、各デッキの評価をしてみたいと思います。
2.デッキ評価
評価の項目を設定する前に、前提となる目標を決めましょう。
目標が「楽しむ」だったり「GP2日目進出」だと、評価は全く違うものになりますからね。
今回の目標は、PT権利ラインつまり「13勝2敗」とします。
この目標を念頭に置いて、評価項目を設定しましょう。
「構築の自由枠」
いわゆる、フリースロットと呼ばれるものですね。
これがどうして重要なのか、2点の理由を説明します。
1つめは「対策難易度」
自由枠の少ないデッキというのは、言い換えれば固定枠が多いデッキということになります。
相手のデッキに絶対に入っているカードは、ケアがとても楽にできます。
赤単を相手にした時に、鎖回しをケアしないプレイヤーはいませんよね?
相手からしてみれば、こちらのアクションが想定しやすいデッキということ。(ローグ最大の強みはここですね。)
そうなるとプレイはもちろん、サイドのインアウトも間違えにくいでしょう。
しかし固定枠というのはデッキの基本骨子そのものであったり、強さを担保しているものです。
ですので、こちら側は相手に受けられることがわかっていても、構築から外すことができません。
また、「受けられ易さ」という点では、攻め手の多角さも重要な要素になります。
これは言い換えれば、「カードタイプの散り方」とも言えるかもしれませんね。
例えば、赤単のように序盤はクリーチャーでビートを行い、中〜後半は火力スペルで押し切るようなデッキは、受ける側も2種類の戦術に対応しなければなりません。
攻め手の多角なデッキは、受け手の引きムラにつけ込む事ができる点で、他のデッキよりも優れています。
2つめは「同型戦」
同型戦で差がつくポイントは、自由枠の多さです。
自由枠の多いデッキは、同型戦で有利になる可能性がそうでないデッキよりも大きいです。
自由枠はメタゲーム予想に合わせて変化させるためのスロットなので、同型が多いと予想すれば、他のデッキを見つつ対策カードを投入することも可能になります。
しかし、自由枠の少ないデッキでは、複数のデッキに対応できるほどに選択肢がないため、基本的には不利なマッチアップに対応するようにスペースを割きます。
その結果、同型戦が運ゲーになりやすくなります。
これら2点を総合すると、構築の自由度の低いデッキは、メタゲーム予想を高い精度で的中させる必要のあるデッキと言えます。
事実として、PT後の大型イベントでは、白系デッキはTOP8に複数残ることはありませんでした。
「ブン回りの有無」
ブン回りパターンのあるデッキはある特徴を持っています。
それは「不利マッチを覆しうる」ということ。
トークンデッキに対する全体除去のように、特定のカードによって不利が決まっている場合、ブン回りがあるデッキは「相手の事故に漬け込む」ことができたり、「引かせる前に勝ち切る」ということが可能です。
なのでアグロデッキは、メタの立ち位置が悪かったとしても、運が良ければ13-2も夢じゃないかもしれません。 (確率の話はよくわかりませんが、ラウンド数が少ない方が上振れを享受しやすいかも?)
この2点を基に、各デッキを5段階で評価するとこうなります(安定性やそもそものデッキの強さなどの評価基準は、既に結果を残しているという点で今回は除いています)。
赤単
自由枠☆ ブン回り☆☆☆☆
単色デッキ全般に通じる話ですが、デッキの自由枠はかなり少ないです。
しかし、前述の通り攻め手がビートと火力の2軸を搭載していることもあり、受け切る難易度は高めのデッキです。
ミラーマッチでは、特定のカードを引いているか否かの勝負になりそうなので、差をつけられるかは疑問です。
ブン回りパターンもマナカーブ通りに動くだけで、大体実現できます。
特に実験の狂乱を絡めたバーンプランは、並みの対策をゆうに超えていくポテンシャルがあります。
白系アグロ
自由枠☆☆ ブン回り☆☆☆☆☆
今記事では、細分化の煩雑さから白系アグロと一括りにしていますが、単色化やt赤、トークン戦略を絡めたり、様々なアプローチの存在するアーキタイプです。
しかし攻め手は一貫して、クリーチャーでのビートダウン。自由枠はそれを「何で補強するか」ということに終始している印象です。
加えて、インスタントアクションもほとんどありません。
そのため受けるプランは簡単で、かつ一貫性を持って行うことができます。
このデッキの強みであるブン回った時の強烈さは、環境で1番と言い切ってしまっても異論はないでしょう。
1,2と動いた後にベナリア史を置くだけで、特定のカードでしか対処できない盤面の完成です。
青単
自由枠☆☆ ブン回り☆☆☆
個人的には今環境の例外枠。
環境に存在するデッキでは、唯一青赤フェニックスと赤単が不利で、それ以外には5分以上に戦えるスーパーデッキ。
自由枠は多くないが、豊富に選べるスペルで柔軟に戦うことが可能。
瞬速持ちのクリーチャーも、数種類採用できる。そのため相手にすると非常に厄介で、裏目の計算をしても仕切れないことが多々ある(自分が苦手なだけかもしれませんが)。
ブン回りパターンも存在しないが、採用されているクリーチャーのほとんどが回避持ちなので、受け切るのはかなり困難。
最大の難点はその器用さゆえに、プレイ難易度が最高レベルであること。
カウンター、ドローの受けやダメージレースの計算など MTGの難しい要素が全て詰まっている。
BG系
自由枠☆☆ ブン回り☆☆
言わずと知れたトップメタ。
クリーチャーとPW、2軸の違う勝ち筋のある太いデッキ。
大別してマナクリ型と、探検型の2タイプ存在する。それぞれ固定パーツが多いため、自由枠は少なめ。
型によって明確な有利不利が存在するので、構築段階で裏目を読み切る必要がある。 個々のカードパワーは環境1と言っていいほど、どこをとっても強い!
さらに探検&墓地回収要素のおかげで、キーカードへのアクセスも容易。
しかし、これと言ったブン回りパターンは存在しないので、序盤から押し付ける展開は苦手。
したがって、アグロデッキと対峙した場合は、相手の引き次第で勝敗が決まりやすい。
青赤ドレイク
自由枠☆ ブン回り☆☆
大量のドロースペル&クリーチャー、ほぼ固定の土地枚数。
デッキのほとんどが固定枠で構成されているので、自由枠は数枚の除去の選択程度。
サイドもカラーリングの問題で、エンチャントに触れられないという特性を持っている。
ブン回りに関しては、個人の定義によるところもあるとは思うが、上手く動いても基本は点での攻めなので非常に受けられやすい。
そのため、相性差を覆せるほどではないと考えて☆3とした。
特定のデッキに強烈に刺さるデッキであるため、当たり方次第ではいくらでも勝てる。
ジェスカイコントロール
自由枠☆☆☆☆ ブン回り☆
コントロールなどの受けるデッキの特性として、仮想敵によっていくらでも構築を変化させられる、環境随一の自由枠を有するデッキ。
今環境ではクリーチャーから土地まで、全てのカードタイプに対処が可能なため、その特性がより顕著である。そのため、他のデッキよりも構築力が問われる。
ブン回りパターンは存在しないと言っていいほどに、受けに特化したデッキ。
裏を返せば、常に一定のゲームレンジで戦えるということでもある。
セレズニアトークン
自由枠 ブン回り
正直に言って、使用経験も対戦経験も不足しているのでわかりません(わからないため)。
3.デッキを絞る
各デッキの評価をしたことで、静岡で使いたくないデッキが見えてきました。
私は静岡では、BGとドレイクを見送ろうと思います。
BGを選ばない理由は3点。
型が複数あることで、メタ読みが難しい上に裏目が存在すること。
不利マッチを覆せるほどのブン回りがないこと。
ミラーマッチで差をつけることが、かなり困難なこと。
総じて環境依存度と、当日の当たり運によるところが大きすぎると判断しました。
青赤ドレイクも、以下の理由で諦めるに至りました。
ミラーマッチを有利に進めるだけの自由枠が足りないこと。
速度がないにも関わらず、攻め手のタイプがクリーチャーしかないことで、受けることが容易なこと。
ドレイクへの感想を一言で表せば、賞味期限切れを感じています。
デッキリストが割れてしまっている現状、当然GPの上位を目指すプレイヤーは、十分にドレイク戦の練習をしてくるでしょう。
しかし、ドレイクには構築上の制約が大きすぎるが故に、相手の対策を乗り越えるだけの"ズラし"ができないと考えています。
青単は難しすぎて、15回戦を戦いきる自信がないので、今回はパスで考えています。
そんな感じで現在は消去法で、ジェスカイコントロールか、白単or赤単で突撃するつもりでいます。
以上で本文は終了です。
長文&駄文にもかかわらず、お付き合いいただきありがとうございました。
これ以上は書き続ける時間は取れそうにないので、かなり荒削りですがとりあえず公開します。
よろしければ何かしらの方法で感想やご指摘など頂けると、次回の記事のレベルアップに繋がるのでお待ちしております。
今週末のPPTQで赤白天使がおすすめな訳
仲間内で見せるように書いたやつをせっかくだから。
「これまでに判明していた強弱」
クラリオン天使<デーモンBG<暴君BG<ジェスカイコン<フェニックス<赤白天使
「今回のMOCSで判明した強弱」
赤青フェニックス<白系アグロ
「白系アグロ分析」
いいとこ:横に並べてポン系のデッキなので、頭数が少なく全除去もないフェニックスに極端に強い。
アジャニや実験の狂乱のお陰で、ラスを撃たれた後の再展開もできる
わるいとこ:サイズが1段階大きく、PWで継続的に除去を打ってくるBGに致命的に弱い。
クラリオンなどは辛うじて抗戦で弾けるが、黄金の死などのマイナスに耐えられない。
除去がエンチャント依存なので、対処されると簡単にゲームがひっくり返る恐れがある。
けつろん:BGとジェスカイが跋扈するメタゲームでは厳しい。フェニックスがそれらを駆逐するまで待とう。
「どろっぷ的PPTQメタゲーム予想」
MOや大規模な大会に比べてメタの進行が遅いPPTQでは、数段階前のデッキと最新のデッキが入り混じる環境になると予想。
暴君BG3:ジェスカイコン2:フェニックス3その他:2
このメタゲーム上で一番厳しいデッキはBG系、下位卓に押し込まれるだろう。
上位に浮上してくるであろうジェスカイ、フェニックス系デッキのうち、より優位に立てるフェニックス系に強い赤白天使は有力な選択肢。
おまけにBG系にも強い。
ジェスカイには分の良い勝負にはならないので、サイドを厚く取ろう。